●日本酒発祥の地は播州であった
日本酒の歴史をたどれば、様々な諸説、言い伝えがあり特定する事は難しいが、現存する文献の中で今日の酒造りの方法(並行複醗酵)を書き記した最古のものに「播磨風土記」が残っている。
そこには、カビがはえ即ち酒を醸させたと記され、今で言う麹と酵母の作用で酒を造っていたのである。
言うなれば播磨地方が日本酒の発祥の地と言う事になる。
事実、この播州地方はもともと酒造りが盛んで、特に龍野を中心とした地域からは播州杜氏(鵤杜氏)も生まれ、安土桃山時代の頃までは摂津の国、伊丹、池田と並ぶ酒どころとして知られていた。
●山田錦の大豊饒地、播州平野は日本一の吟醸酒地帯
大正12年「短桿渡舟」を父、「山打穂」を母とした「山田錦」が誕生した。
大粒、柔らかく大きい心白、低蛋白質と三の要素が他に類を見なく優れており、酒米の王者、酒米の傑作として全国の杜氏たちから垂涎の的として、もてはやされている。
その日本一の酒米「山田錦」の豊饒地、播州平野には日本酒の文化と伝統を今も大切に受け継ぎながらひたすら銘酒造りに励む酒蔵がある。
毎年、高品質の酒を醸しているが、その中でも大吟醸とか吟醸と呼ばれる高級酒を造るには、この酒米の王者「山田錦」が欠かせないのである。
身土不二の言葉からでもわかるように、酒を造るのに、水と米と風土が同じ地であるのが、一番良しとするならば、播州平野こそ、日本一の吟醸酒地帯といえるのである。

●優れた酒米、吟醸酒の源は播州の清水にあり

「美味しい酒のある所には、美味しい水あり」、また「美味しい米のある所には、美味しい水あり」といわれるように、水は万物においての源として讃えられてきた。
酒造りにおいての水は最も重要な存在であり、水の質が酒の味を大きく作用するといっても過言ではない。
播州は、播但山地から流れ出る伏流水によって名水と呼ばれる泉に恵まれた地方であり、日本一の酒米「山田錦」を育む豊潤な風土から流れ出る清水は、また日本一の吟醸酒の源でもある。すなわち播州は酒造りにおいての、水の恩恵に恵まれた貴重な風土であるといえよう。